東京都23区における自治体の言語サービスの実態

掲示

記入用紙の表記方法

国文学科2年 井坂茉央

調査項目

東京23区の各区役所内で、記入用紙に使用されている言語を対象に調査をした。外国人登録用紙の言語割合と、障害・老人福祉の使用フォントをとりあげる。

調査結果

(1)外国人登録

  • 登録用紙に使用されていた言語は、日本語・英語・中国語・韓国 語の4ヶ国語であった。
  • 日本語と英語を併用した登録用紙が17区すべてで使用されていた。
  • 図3のように、すべての区が日本語と英語で書かれた登録用紙が使用されているが、大田区・文京区・豊島区・新宿区ではそれ以外に、中国語、韓国語が使用されていることが分かった。

(2)障害福祉・老人福祉フォント

  • 障害・老人福祉の各部署で使用されている記入用紙は、明朝体・ゴシック体の、2種類の字体で書かれている。
  • 特徴として,障害づくしでは明朝体が、老人福祉ではゴシック体が、多く使われる字体であることが分かった。

考察

日本語以外の言語では、英語が、記入用紙に最も使用されていた。これは中国語・韓国語よりも、英語の方が使用頻度が高く、より多くの人に理解される言語であるためと考えられる。外国人登録用紙の使用言語が多かった地域として、外国人登録数が多い、大学が多数立地するなどの特徴があげられる。
障害・老人福祉では、普段目にすることの多い明朝体よりも、ゴシック体で書かれている地区の方が多かった。一定の太さで書かれた文字の方が見やすいため、読み間違いを少なくする理由であると思われる。しかし、障害者福祉では、逆に明朝体表記の方が多い結果となった。