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第3章 パンフレットの報告と分析

3.4.多言語使用率と訪日外国人数(間下隆太)

今回調査した全19の施設のうち、現物としてパンフレットがある全16施設で使われている言語対応数と使用率をまとめた。

表2.全16施設の言語対応数と使用率

施設名 中(簡) 中(繁) その他
(タイ)
EXITMELSA      
GINZA SIX        
NISHIGINZA(西銀座)        
ギンザ・グラッセ            
銀座三越  
バーニーズニューヨーク銀座店        
阪急メンズ東京        
松屋
マロニエゲート銀座1      
マロニエゲート銀座2&3        
メルサ銀座二丁目店      
ルミネ有楽町店    
和光      
銀座コア    
銀座ベルビア館        
東急プラザ銀座  
有楽町マルイ            
有楽町イトシア        
有楽町マリオン            
16 16 7 4 5 1
使用率 100% 100% 44% 25% 31% 6%

日本語と英語が使用されていないパンフレットは当たり前ではあるがなかった。

3.4.1.言語対応数と国別不日観光客数関係の分析

多言語表記の使用率順では英語・中国語(簡)・韓国語・中国語(繁)・タイ語であった。
この使用率順は訪日観光客数と関係があると考え調査しグラフにまとめた。

図1.国別訪日観光者数(日本政府観光局JNTOより)

図1において訪日観光客数を比較してみたが、使用順においては、英語がジェネラルな言語であることとやはりデザイン用法として使用されていることを考えれば使用順に誤りはないと考えられる。

しかし、松屋のみタイ語での表記があったが、これはなぜなのか決定的なデータは見つからなかった。そこで過去15年分の国別訪日観光客数の伸び具合が関係しているのではないかと考えグラフ化し考察してみた。

3.4.2.タイ語と過去15年分の国別観光客増加率の関係の分析

表3.‘04~’19来日観光客増加率(日本政府観光局JNTOより)

  米国 中国 台湾 韓国 タイ
2004 71,242 56,512 130,520 160,770 6,439
2009 70,373 67,944 115,734 170,240 9,631
2014 82,937 281,309 279,316 250,741 42,891
2019 156,900 1,050,500 459,200 561,700 73,200
‘04~’19増加率 120% 1758% 252% 210% 1037%

表3で、2014年からタイからの観光客が急激に増加しているのかわかる。

これには2013年のビザ発給緩和、さらに日本のタイ向けのサービスにあると考えられる。調べた日本のサービスでは TrippinoHOKKAIDOという訪日タイ人向けのサービスがありこれらがタイからの訪日観光客急増をけん引していることは間違いないと思われる。このサイトによると北海道では、2011年からわずか三年間で訪日タイ人の数が十三倍にもなったという。

ここからわかるように訪日タイ人の数は年々決して無視できる数字ではなくなってきているということは明確であり、松屋はいち早くその流れを踏まえ、広く訪日観光客をメインターゲットとしてとらえていることがわかる

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