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第11章 臨時的掲示伝統工芸品売場の報告と分析

0316082 西川佳宏

11.1.目的

銀座・日本橋・東京エリアの百貨店・複合商業施設の伝統工芸品を扱う売り場の言語景観を調べる。

11.2.調査概要

11.2.1.アイテム定義

銀座・日本橋・東京 エリアの百貨店・複合商業施設の伝統工芸品を扱う売り場のうち、メインの上りエスカレーター付近の売り場を調査対象とする。◯◯展のようにフェアで扱われている臨時的売り場は対象外とし、市中免税店は通常の売り場とは別で調査する。

対象の①扱われている商品 ②値段表示の使用言語 ③商品説明の使用言語をそれぞれ調査する。

11.2.2.収集したデータ数

収集したデータ数を表1にまとめた。表の数字は使用言語数。

表1.調査項目と収集データ数

ID 施設名 商品 値段 商品説明 横計 備考
1 EXITMELSA 日本人形 2 2 4  
2 GINZA SIX 漆器 1 1 2  
3 NISHIGINZA (西銀座) なし 0 0 0  
4 ギンザ・ グラッセ なし 0 0 0  
5 銀座三越 コップ・扇子 1 2 3  
6 バーニーズニューヨーク銀座店 なし 0 0 0  
7 阪急メンズ東京 なし 0 0 0  
8 松屋 手ぬぐい 0 2 2  
9 マロニエゲート銀座1 なし 0 0 0  
10 マロニエゲート銀座2&3 なし 0 0 0  
11 メルサ銀座二丁目店 着物 0 0 0  
12 ルミネ有楽町店 なし 0 0 0  
13 和光 陶磁器 1 1 2  
14 銀座コア 着物 1 1 2  
15 銀座ベルビア館 なし 0 0 0  
16 東急プラザ銀座 焼き物、手ぬぐい 0 3 3  
17 有楽町マルイ なし 0 0 0  
18 有楽町イトシア なし 0 0 0  
19 有楽町マリオン なし 0 0 0  
  各言語使用数(縦計)   6 12 18  

11.2.3.アイテムのどこに着目したか

今回はデータ数的に十分な量数がある商品説明の使用言語に着目する。

11.3.商品説明の報告・分析

11.3.1.表1の分析

商品説明の使用言語を集計した(図1)。日本語と英語が最も多く、中国語の簡体字は少ない。中国語繁体字と韓国語は見られなかった。

図1.商品説明の使用言語数

表2は観光局による訪日外国人消費動向調査2018年(平成30年)の居住地(21区分)別 費目別購入率および購入者単価のデータを一部抜粋したものである。

これを見ると、韓国、中国に比べて、米国からの訪日外国人の民芸品・伝統工芸品のうち、購入率は韓国や中国と比べて非常に高い。このことから、伝統工芸品の需要は英語圏の外国人観光客に対する需要が中韓の外国人観光客に比べて高いことがわかる。

表2.観光局訪日外国人消費動向調査2018年(平成30年)(一部抜粋)

訪日外国人消費動向調査2018年(平成30年)(一部抜粋)
民芸品・伝統工芸品 韓国 中国 米国
回答数 購入率 回答数 購入率 回答数 購入率
186 4.9 268 6.3 1,002 20.0

11.4.まとめと課題

伝統工芸品に関しては中国や韓国から来た訪日外国人観光客よりも、英語圏から来た訪日外国人観光客のほうが高い割合で購入していた。
そのことが商品説明で使用される外国語のうち英語が最も多いことにつながっているのだと考える。

今回は調査マニュアルをうまく書くことができず、情報を集めきることができなかったので、それを今後の課題とする。

11.5.参考サイト

※最終閲覧日はいずれも2019年9月6日

日本の観光統計データ(日本政府観光局JNTO)
https://statistics.jnto.go.jp

日本政府観光局
http://www.jnto.go.jp/jpn/

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