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第5章 トイレの報告と分析

5.5.ピクトグラムとトイレ表記名の報告・分析(今井樹)

トイレの入り口、周辺の案内板(吊り下げ型案内板等)、臨時的掲示の言語の使用数について、調査した。

表3.トイレの表記名

ID 施設名 トイレの呼び方
1 EXITMELSA lavatories・洗手間
2 GINZA SIX RESTROOM
3 NISHIGINZA (西銀座) トイレ・男 / 女性用化粧室・TOILET・RESTROOM
4 ギンザ・ グラッセ  
5 銀座三越 Ladies' / Mans'room・婦人用 / 紳士用化粧室
6 バーニーズニューヨーク銀座店 なし(ピクトグラムのみ)
7 阪急メンズ東京 化粧室
8 松屋 化粧室・RESTROOM
9 マロニエゲート銀座1 rest room
10 マロニエゲート銀座2&3 Restroom
11 メルサ銀座二丁目店 TOILET
12 ルミネ有楽町店 rest room
13 和光 なし(ピクトグラムのみ)
14 銀座コア 化粧室
15 銀座ベルビア館 WC
16 東急プラザ銀座 お手洗い・restroom
17 有楽町マルイ RESTROOM
18 有楽町イトシア なし(ピクトグラムのみ)
19 有楽町マリオン  

表4.トイレの表記名の言語ごとの数

  英語のみ 日本語のみ 英日 ピクトグラムのみ その他
店舗数 7/17. 2/17. 4/17. 3/17. 1/17.

トイレの表記名については、表4のように、英語のみの表記をしている店舗が目立つ。それ以外には、英語日本語を併記しているもの、日本語またはピクトグラムのみの表記であり、英語か日本語以外の言語で表記していたのはEXITMELSAの英語・中国語表記のみであった(写真1)。トイレの場所を知らせるだけであればピクトグラムと導線表示のほうが、伝える人間の国籍を選ばないためだと思われる。

写真2.EXITMELSAのトイレ案内板(英・中(簡))

表5.使用言語とピクトグラムの有無

ID 施設名 中(簡) 中(繁) 使用
言語数
(横計)
ピクトグラム 備考
1 EXITMELSA
(臨時)

(臨時)
   
2 GINZA SIX   4  
3 NISHIGINZA (西銀座)   4  
4 ギンザ・ グラッセ               トイレ未確認
5 銀座三越   4  
6 バーニーズニューヨーク銀座店     3  
7 阪急メンズ東京         1  
8 松屋   4  
9 マロニエゲート銀座1
(臨時)
 
(臨時)
4  
10 マロニエゲート銀座2&3
(臨時)
    3  
11 メルサ銀座二丁目店 5  
12 ルミネ有楽町店       2  
13 和光
(臨時)
    3  
14 銀座コア
(臨時)
 
(臨時)
4  
15 銀座ベルビア館     3  
16 東急プラザ銀座       2  
17 有楽町マルイ       2  
18 有楽町イトシア       2  
19 有楽町マリオン               トイレなし
  各言語使用数(縦計) 17/17 16/17 11/17 3/17 8/17   17/17  

ピクトグラムについては、表5の通り、今回調査したトイレすべてに使用されている。阪急メンズ東京のように使用言語数が少ない店舗でも、ピクトグラムを必ず使用しているため、多言語表記よりも店側が重用していることがわかる。前述したように、相手がどこの国の人間であっても情報伝達が可能という万能性ゆえ、翻訳作業などの手間がかからないからであろう。今回の調査では、JIS規格などの既存のピクトグラムに加えて、店舗ごとのオリジナルのピクトグラムを採用している店舗が多く見受けられた。店の雰囲気に合わせたピクトグラムを作成することで、店の独自性を強調する目的があると考えられる。

表6.各店舗で使用されていたピクトグラムの規格

ID 施設名 JIS規格 AIGA規格 ISO規格 オリジナル 備考
1 EXITMELSA        
2 GINZA SIX        
3 NISHIGINZA (西銀座)      
4 ギンザ・ グラッセ         データなし
5 銀座三越        
6 バーニーズニューヨーク銀座店        
7 阪急メンズ東京        
8 松屋        
9 マロニエゲート銀座1        
10 マロニエゲート銀座2&3        
11 メルサ銀座二丁目店     入口の
男トイレのみ
(オリジナル)
12 ルミネ有楽町店        
13 和光        
14 銀座コア        
15 銀座ベルビア館          
16 東急プラザ銀座        
17 有楽町マルイ        
18 有楽町イトシア        
19 有楽町マリオン         トイレなし

この表は、トイレのピクトグラムについて比較したものである。JIS規格とオリジナルのものが主であり、ISO規格などはほとんど使われていないことがわかる。マルイやマロニエゲート銀座2&3、GINZESIX、東急、和光は海外のトイレのように色を変えていない。海外で色を変えていない理由の一つは、色弱者への配慮。あとは、同じ色にすることで統一感のある空間づくりを重視していると考えられている。(株式会社フジタ)

写真3.
和光(左)とマロニエゲート銀座2&3(右)のピクトグラム

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