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第9章 臨時的掲示電化製品売り場の報告と分析

0315046 前原勇樹

9.1.目的

銀座周辺の各商業施設における電化製品に関する臨時的掲示物や、商品の説明に使われている言語を調査し、銀座周辺の言語景観を分析する。

9.2.調査概要

9.2.1.調査項目

・音楽機器(SONYヘッドホン関連)の値札
・音楽機器(SONYヘッドホン関連)に関する臨時的掲示

9.2.2.調査結果

今回調査したほとんどの施設で電化製品に関する売り場が見られなかった。いくつかの施設では電化製品に関する売り場は見られたが、今回対象としたSONY製のヘッドホン関連機器があったのは1店舗のみであった。そのため、本来の調査はできないと判断した。今回は調査項目が確認できた1店舗について報告するとともに、家電量販店の情報についても新たに調査する。

9.2.3.アイテムのどこに着目したか

・音楽機器の値札の使用言語
・音楽機器に関する臨時的掲示物の使用言語

9.3.東急プラザ銀座の電化製品エリアについて

ここでは、唯一調査対象が確認できた東急プラザ銀座についてまとめていく。 東急プラザ銀座には8階と9階に免税店があり、9階のエリアでSONY製の音響機器を販売していた。

東急プラザ銀座では写真1のように商品の説明を中国語(簡体字)と英語のみで表記している場合が多かった。値札にも中国語(簡体字)が多くあり、特に中国人観光客を意識していることがうかがえた。

写真1.東急プラザ銀座8階 中国語と英語で書かれた商品説明(9月4日撮影)

9.4.家電量販店の調査

銀座エリアの百貨店や複合商業施設に電化製品を扱う施設が少ない理由のひとつには、大手家電量販店の存在が考えられる。銀座エリアから5km圏内には家電量販店が密集している秋葉原がある。そこで、日本の家電量販店の売り上げで上位4つのヤマダ電機 ビックカメラ、エディオン、ヨドバシカメラと銀座エリアに出店しているラオックスについて調査する。

表1.家電量販店調査リスト

会社名 銀座からの最寄り店舗 住所 最寄り駅
ヤマダ電機 LABI新橋 〒105-0004 東京都港区新橋2-8-5 新橋駅
ビックカメラ ビックカメラ有楽町店 〒100-0006 東京都千代田区有楽町1-11-1 有楽町駅
エディオン エディオンAKIBA店 〒101-0021 東京都千代田区外神田1‐2‐9 秋葉原駅
ヨドバシカメラ マルチメディアAkiba 〒101-0028 東京都千代田区神田花岡町1-1 秋葉原駅
ラオックス 銀座EXITMELSA 〒104-0061 東京都中央区銀座5 -7-10  中村積善会ビル 3F、5F、6F 銀座駅
会社名 店舗サイトURL
ヤマダ電機 https://www.yamada-denki.jp/store/contents/?d=1021
ビックカメラ https://www.biccamera.com/bc/i/shop/shoplist/shop014.jsp
エディオン https://search.edion.co.jp/e_store/spot/detail?code=0000004762
ヨドバシカメラ https://www.yodobashi.com/ec/store/0018/
ラオックス https://www.laox.co.jp/laox_store/stores/#tokyo-navi
会社名 公式サイトURL
ヤマダ電機 https://www.yamada-denki.jp/
ビックカメラ https://www.biccamera.com/bc/main/
エディオン https://www.edion.co.jp/
ヨドバシカメラ https://www.yodobashi.com/
ラオックス http://www.laox.co.jp/

〈調査結果〉

表2.調査したサイトと対応言語

        切り替え
会社名 サイト区分
ヤマダ電機 公式サイト          
  店舗サイト          
ビックカメラ 公式サイト    
  店舗サイト          
エディオン 公式サイト    
  店舗サイト          
ヨドバシカメラ 公式サイト          
  店舗サイト        
ラオックス 公式サイト  
  店舗サイト  

調査した5社のうち、日本語にしか対応していないサイトはヤマダ電機のみであった。ヨドバシカメラは店舗サイトの住所や営業時間の案内に英語の表記があった。

ビックカメラとエディオンは近い結果になった。両社とも公式サイトが言語切り替えに対応していた。

ラオックスはサイトにおける言語サービスが充実していることが分かった。ラオックスは公式サイトのトップページにおいてメニューの部分にのみ英語を用いており、この部分はデザインとしての英語であると判断できる。ラオックスの店舗案内には写真2のように店舗でのサービス内容がピクトグラムとあわせて4種類の言語で説明していた。ラオックスは公式サイトの事業案内などからグローバルな部分にかなり力をいれている印象を受けたので、そこが顕著に表れていると推測できる。

この結果からサイトにはそれぞれの言語サービスに対する態度の差が表れたといえる。
ただ、前提として家電量販店に訪れる訪日外国人に対応するためにはサイトよりも店舗の言語サービスに力をいれるべきだという側面もあると思われるので、サイトだけから会社の言語サービスへの態度が読み取れるわけではないと感じた。

写真2.ラオックス店舗サイトのキャプチャ画像

9.5.まとめ

訪日外国人は日本の電化製品への関心が高いイメージを持っていたため、電化製品には言語景観が現れると思い対象に設定したが、今回調査した施設には電化製品を販売している場所が少なかった。また、調査への負担を考慮し、SONYを調査対象に限定したが、データを収集することができなかった。もう少し、対象を広げてデータを集めることができたらよかったのではないかと思う。

しかし、今回データを回収できた東急プラザ銀座の売り場や家電量販店のサイトからも、電化製品は特に中国人からの関心が高いことは分かった。

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