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第4章 免税カウンターの報告と分析

4.6.免税カウンター入り口の案内表記から見る言語景観(武末文壱)

図3.施設別の使用言語

「施設入口フロアガイドの免税カウンター案内表記」や、「免税カウンターがあるフロアのメインエスカレーター近くにある同線案内」と比べて「免税カウンター入り口案内表記」には多くの言語が使われていることが分かる。

写真5.松屋地下1階免税カウンター入り口案内表記

「言語種類を見ると、英語が最も多く次に日本語や中国語簡体字、ハングル文字、中国語繁体字という順番になっていることがわかる。そして、これには訪日外国人の関係している。

先ほどの表3のデータを見ると、中国が最も多く、次に韓国、台湾、香港と続いている。 これらの結果から、英語は共通語として使用頻度が最も多く、2番目が訪日外国人数トップの中国で使われている中国語簡体字で、3番目が韓国で使われているハングル文字、4番目が主に台湾、香港で使われている中国語繁体字となり訪日外国人数と施設で使用される言語の頻度は同様の結果になることがわかる。また、使用言語の順序からも同様の傾向がうかがえる。

表6.入り口案内表記の言語景観

使用言語の順序
施設名 中(簡) 中(繁) タイ語
GINZASIX 1 2 3   4  
銀座三越 1 2   3    
阪急メンズ東京 2 1 ※3 ※4 ※5  
松屋 ※6 1 ※2 ※3 ※4 ※5
ルミネ有楽町店 2 1 3   4  
銀座ベルビア館   1 2      
有楽町マルイ 1 3 2      

※同列で表記された言語(写真5参照)

この表から英語、中国語簡体字、中国語繁体字、ハングル文字の順になっていることがわかる。中には、英語よりも上に中国語簡体字で表記されているものもあった。 (有楽町マルイ1階免税カウンター入り口)

表7.免税に関するロゴマーク

施設名 グローバルブルーマーク シンボルマーク
EXITMELSA
GINZA SIX
NISHIGINZA(西銀座)
ギンザ・グラッセ
銀座三越
バーニーズニューヨーク銀座店
阪急メンズ東京
松屋
マロニエゲート銀座1
マロニエゲート銀座2&3
メルサ銀座二丁目店
ルミネ有楽町店
和光
銀座コア
銀座ベルビア館 不明 不明
東急プラザ銀座
有楽町マルイ
有楽町イトシア
有楽町マリオン
総計 4 4

免税カウンターについて調査する上で2種類のロゴマークを発見した。1つがグローバルブルー社のロゴマークで、グローバルブルー社と提携している百貨店、アウトレット、ブランドショップなどで用いられる。もう一つが観光庁によって管理される全国共通のロゴマークで、免税店のブランド化・認知度向上のために作られたもの。

写真6.グローバルブルー社

写真7.免税店シンボルマーク

それぞれ、免税店を簡潔に表すロゴマークとして使用されている。「施設入口フロアガイドの免税カウンター案内表記」や、「免税カウンターがあるフロアのメインエスカレーター近くにある同線案内」と比べて多くの言語が使われていたようにこのロゴマークも「免税カウンター入り口案内表記」で使われていることが多かったが、まだまだ少ないように感じた。免税カウンターは必要としている人が見つけやすいように多くの言語やロゴマークで表記していることが分かった。これから認知度を上げていくことで更に多くの場所で使われるようになるのではないかと思った。

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